プラ添加剤 魚に蓄積 水や餌通じ、実験で確認

『微小なマイクロプラスチックに添加された化学物質が、水に溶け出したり餌を通じたりして魚に取り込まれることが実験で明らかになったと、北海道大と東京農工大の研究チームが専門誌に発表した。
添加剤の中には生き物に有害な物質もある。実験した北海道大の仲岡雅裕教授(海洋生態学)は「将来マイクロプラスチックが増えると影響が心配だ。増加傾向にあるプラごみを減らす必要がある」と話した。』

~今朝の千葉日報から。
https://www.chibanippo.co.jp/

おはようございます。

朝刊からSDGsのヒントを見つける、今日は「プラスチック添加剤」です。

プラスチックはもともと、熱や光に対して弱い物質です。成形加工時や完成品に加わる熱や日光に含まれる紫外線などによって、簡単に劣化してしまいます。
このプラスチックに少量の高分子用安定剤と言われる添加剤を加えることで劇的に状態が安定します。
添加剤はさまざまな物質がありますが、そのひとつに酸化防止剤があります。酸化防止剤をプラスチックに少量加えたものを150℃のオーブンに入れておくと、2,000時間以上劣化しなくなります。
酸化防止剤を入れてないものは、24時間で酸化、劣化してしまいます。

添加剤はプラスチックになくてはならないものなのです。

この添加剤ですが、記事にもあるように有害性が指摘されるものがあり、魚が取り込むことも分かりました。が、すなわち「即人体への悪影響」というのは、実はまだ解明されていません。
ネット上でまことしやかに書かれているものは「プラスチックごみ」「添加剤は有害」などから導いた仮説に過ぎません。
鵜呑みするのは早計かと。

とはいえ、腐らないプラスチックごみは溜まるばかり。
昨年、JAMSTECから「房総半島から約500km沖、水深6,000m付近の海底をプラスチックごみの集積地と見込み調査した結果、ポリ袋や食品包装等の使い捨てプラスチックが大量に見つかった。」と発表がありました。

紫外線の届かない深海ではプラスチックは分解されず、そのままの形を保ったまま何年も溜まり続けいくんでしょうね。

SDGsの目標:14.海の豊かさを守ろう

添加剤の影響は気になるところですが、そこは専門家に解明してもらうとして、私たちが今できることはプラスチックごみを海に放出されないようにすることになります。

とはいえ、ほとんどの事業者は適切にごみ処理をしていると思われます。もちろん家庭でも。

なのに海のプラスチックごみは増え続けます。

環境省の調べによると、毎年海に流出するプラスチックごみのうち2〜6万トンが日本から発生したものだと推計しています。

海中のプラスチックごみはどうしようもありませんが、海岸に流れてくるプラスチックごみは拾うことができます。

以前、高齢者を対処としたNPOを立ち上げたことがあります。
その活動を広く知ってもらうために街のごみ拾いを定期的に実施していました。
高齢者の健康ウォーキングを兼ねた街の美化活動です。
安全のためにNPOロゴ入の派手なウィンドブレーカーを着て、毎回違うコースとゴールを決め、コース沿いのごみを拾うもの。参加する度にポイントが貯まるようにもしていました。

これを海の近くにある事業者がやってもいいのかなと。
例えば部署持ち回りで月曜朝は海岸に出勤、ごみ拾いをしてからそれぞれ持ち場に着く。雨天中止くらいのゆるさであれば、継続できそうな気がします。

中小のSDGsの取り組みは、大きなことをやるのには少々無理があります。
小さなことをコツコツと、長く取り組めるものの方がいいと思います。

SDGsの継続的な取り組みは何がいいのか迷ってる方、ぜひちばSDGsレポートの無料会員になってご相談ください。

それでは。


参考

株式会社ADEKA│樹脂添加剤とは
https://www.adeka.co.jp/chemical/products/plastic/knowledge_01.html

日本財団ジャーナル│【増え続ける海洋ごみ】マイクロプラスチックが人体に与える影響は?東京大学教授に問う
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2020/44897/ocean_pollution/

国立研究開発法人海洋研究開発機構│房総半島沖の水深6,000m付近の海底から大量のプラスチックごみを発見
―行方不明プラスチックを探しに深海へ―
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20210330/