ユニモちはら台

〒290-0194 千葉県市原市ちはら台西3丁目4番
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企業

【ユニモちはら台】大型商業施設だから「やるべきこと」、大型商業施設だから「できること」。

地域の大型商業施設として、責任を果たす

ユニモちはら台は2007年の開業以来、地域のニーズに応える大型商業施設として愛されてきた。その一方で、150もの店舗から成る同施設は、SDGsの大きな課題である「地球環境を守ること」に対し、責任感を持った施策を行っている。

その一つが、省エネと省資源の取り組みだ。同施設は規模の大きさもあり、街や自然環境に与える影響が、一般家庭に比べて非常に大きい。例えば、施設の電気使用量は一般家庭の約3000倍であり、同様にごみの排出量は約1000倍と、電気を作るにもごみを燃やすにも、地球温暖化に直結する二酸化炭素を多く発生させてしまう。

このことから、まず施設の電気使用量を抑えるべく、2015年以降は館内のLED化を中心に投資を進め、2014年の使用量約1,780万kWhに対し、直近の2022年では約1,290万kWhと、年間で約27.5%の削減を実現した。今後も太陽光発電などのグリーンエネルギーへの切り替えや、空調システムへのインバーター設備導入などを検討する。

また、2019年時点で51.2%と、一定水準を維持してきたごみの再資源化についても積極的だ。近年は、全テナント長が参加する定例会の後に分別研修を行うと共に、軟質系プラスチック類やミックスペーパーという新たなリサイクル項目を設定。これにより、2023年は70.5%のリサイクル率を達成している。現在、市原市では食品トレー等の原料であるポリスチレンのケミカルリサイクル事業を推進しているが、この取り組みにおいても、「広報」「回収拠点」「施設ごみのリサイクル化」という3つの役割で参加を予定している。

地域の人々と手を携えて、SDGsへのさらなる貢献を

省エネ・省資源の施策が着々と成果をあげる中、次の目標としたのが地域に向けた取り組みだ。確かにユニモちはら台は一般家庭と比較した場合、エネルギーやゴミの排出量は多いが、それは市原市全体に住む数十万の人々から見れば微々たる量だ。そこで、年間約500万人という集客規模を生かした、「お客様参加型の施策」を行うことで、地域と共に一層のSDGsへの貢献を目指した。

代表的な施策は、2022年にスタートした「unimo for SDGs UniFes」、通称ユニフェスだ。30〜40代のファミリー層に向けて、持続可能な社会を生きるための課題や解決策を提示する企画として、年に2回開催している。その内容は、地元の生産者によるマルシェ、モノをリユースする精神を育むキッズフリーマーケット、海の環境教室、職人による木工教室など多彩だが、中でも世界に届ける学用品回収のイベントは印象的だったという。

これは各家庭で不要になったランドセルを、東南アジアの国の子どもたちに届けるプロジェクトだが、これまでの計4回で集まった個数は840個にものぼる。ランドセルといえば、大切な思い出が詰まった物のはず。しかし、意外にも参加者からは「誰かがもう一度使ってくれた方が良い」という声が多く、この企画を通して地域の人々のSDGsへの関心や、貢献したいという意欲を強く感じることができた。

他にも、2023年からは「unimo SDGs Challenge School」、通称サステナシップを立ち上げ、実際にSDGsに注力する企業・団体を講師に、子ども向けSDGs学習イベントを開始している。同施設を拠点として、企業・団体、参加者の三者で臨む教室では、多様性や循環型社会といった今日的なテーマを扱う。毎月の定員は120名だが、すでに参加者の半数以上がリピーターとなるなど、リアルな取り組みや世界の状況を学べる点が、子どもだけでなく保護者からも高い評価を受けている。

ユニフェスが多くの人たちが集まり、体験を通してライトな気づきを提供する場だとすれば、サステナシップは子どもたちを対象に、少数精鋭で学びを深める場だ。継続して開催することで、SDGsが当面の目標と掲げる2030年を過ぎても、国際社会で活躍できる人材をこの地域から育成していこうという狙いがある。

機運が高まる中で、北部地域のリーダーとなる

2021年から本格化したSDGs 関連のイベントは、開始当初こそ手探りの状態が続いたが、運営メンバー間の議論や参加者とのディスカッションにより徐々に定着し、これまでに実施した企画はおよそ20以上、合計参加者は2500名以上を数える。

ユニフェスに関しては、販促チームの働きかけもあり、市原市内の全小学校と千葉市緑区および中央区の小学校で、開催パンフレットの配布が許可されるなど、日に日に存在感が高まっている。学校機関での告知が認められるのは異例のことで、黒田雅裕支配人は「サステナビリティに特化した活動が評価された証」と自信を見せる。

今、市原市では「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」として内閣府から選ばれ、SDGs達成に向けての機運が高まっている。その中で、ユニモちはら台は、市の北部エリアの集客拠点としての自覚を持ち、周辺地域への情報やきっかけを提供しながら、引き続きSDGsへの取り組みをリードしていきたい考えだ。