学校法人

デザインを通じて社会貢献を果たす 千葉デザイナー学院のSDGsへの取り組み

千葉デザイナー学院は、2007年の開校以来、一貫して産学連携プロジェクトに取り組んできた。その活動は、近年盛り上がりを見せるSDGsにも通じ、美術系の教育機関として、特に「17.パートナーシップで目標達成」に力を入れている。

PBLの理念を基に連携を促進

鍵となるのは、企業の持つ課題に解決策を提示する「PBL(Project based learning)」の発想だ。学院ではこの理念を主軸に、主に千葉県内の企業・自治体と連携し、これまでに、数々のビジネスおよびパブリックワークに参画してきた。

その中で「千葉市 コロナワクチン啓発ポスター」は、若年層に向けた発信を重視し、千葉市側から学院に働きかけがあったもの。30名近い学生が制作に参加し、最終的に「日常を取り戻そう。」のコピーと、アニメーションタッチが強く印象に残る1枚が採用された。実際に県内各所に貼られたポスターは、SNS上でも「作者は誰?」「千葉市の感性は先進的」と反響を呼び、好評につき掲示が継続中だ。

学生課の野巻達也さんは、「コロナ禍にあって、時代が求めるデザイン物で世間に訴えかけ、まさに当校のポリシーの“デザインを通じた社会貢献”が反映された作品になりました」と、プロジェクトの成果について胸を張る。

三者が学び合い、持続的な成長へ

学院に通う学生たちは、学校教育や公共機関などでSDGsを学んできたネイティブ世代だ。課題を設定して情報収集し、挑戦、改善するサイクルで、プロジェクトに向き合う姿勢には、教員側が学ぶことも多いという。もちろん、参加する学生には就職活動の実績になるメリットがあり、企業にも良質なデザインで課題を解決できると好評の声が多い。そのため、今後もSDGsは積極的に推進する考えだ。

野巻さんは、「三者がそれぞれに学び合うことがPBLの真骨頂です。当校、企業・自治体、学生が活きる関係性作りで、地域の持続的な発展に貢献したいです」と、将来の展望を語った。